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イケメンガイドと森を自由に放浪。ランブリングツアーで魅せる十和田湖の絶景

青森県と秋田県にまたがる十和田湖とそこから流れ出る奥入瀬渓流。豊かな原生林と水が織りなす神秘的な景観は、訪れた人々を魅了する日本屈指の景勝地です。
ネイチャーガイドの村上周平さんは、その荘厳な大自然に惚れ込んだひとり。
村上さんをとりこにした十和田の魅力と、ガイドの仕事についてお聞きしました。

森の中をのんびり歩いて、不思議を探すランブリングツアー

通り過ぎてしまいがちな草木も立ち止まってルーペでじっくりと観察。小さくても生きていることを実感。

通り過ぎてしまいがちな草木も立ち止まってルーペでじっくりと観察。小さくても生きていることを実感。

ネイチャーガイドといえば、
「あれを見てください」「これは○○という植物で…」
と観光客を先導して歩くイメージでしたが、村上さんのガイドは違いました。

“ランブリング”とは、英語で「当てもなく気ままに歩くこと」を意味します。
おしゃべりを楽しみながらゆっくりと歩き、ふと目に留まったものをしゃがみこんでじっくりと観察。

動植物の不思議や疑問など、ガイドの村上さんがいろんなことを教えてくれて、時には一緒に考えるという参加者主体のランブリングツアー。

普段どこでも目にする“苔”ひとつでも話が広がり、自然を形成する上で大事な役割を担っていることを知ることができます。

村上
自分の目で見て、触れて、関心を持つことで自然との距離が縮まります。種にはそれぞれ個性があって、その無数の小さな命が集まって広大な景色を作っているんです。そのことを知れば森の見え方も変わり、人間としての感性も磨かれると思うんです。

立ち止まったり、考えたりという時間が長いため、ランブリングツアーで2〜3kmの距離を進むのにかかる時間は3時間ほど。
大きな自然の成り立ちを知るには、まずは小さな生命を知ることから。そこには、ただ話を聞いて歩いているだけでは体験できない発見と感動がありました。

好きなことを仕事にしたい。それを叶えられる場所が十和田だった

早朝のカヌーツアーではこのような幻想的な風景に出会えます。地球だけでなく宇宙の神秘も感じられる瞬間。

早朝のカヌーツアーではこのような幻想的な風景に出会えます。地球だけでなく宇宙の神秘も感じられる瞬間。

村上さんは北海道栗山町生まれ。その後家族で引っ越し、20代後半までを隣の岩見沢市で過ごしました。
いずれも少し足を伸ばせば豊かな自然が広がる地域。
そのため、アウトドア好きな父親に連れられて、子どもの頃からよく登山やキャンプなどに出かけていたそうです。

高校卒業後は営業職や宅配便配達員などに就いて社会人生活を送っていましたが、心にはずっと慣れ親しんだ自然風景の思い出が残っていたと言います。

そうした中で出会ったアウトドアの専門学校。
村上さんは社会人から再び学生となり、やがてツアーガイドの道へと進むことになります。

村上さんが特に専門とするのは、ラフティング(激流下り)やカナディアンカヌーのガイド。
専門学校在学中に資格を取得し、現場に出て経験を積み重ねました。

しかし資格を取ったものの、専門学校卒業後は北海道でアウトドアショップの店員をしながら必要な時だけガイドを行うという生活。

村上
ガイドの資格をもっと生かしたいし、これからどうしようかと考えていた時、十和田市の会社が新しくカナディアンカヌーツアーを事業に取り入れたいと視察に来たんです。それでガイドとして十和田湖で働かないかと誘われて。

突然舞い込んだ千載一遇のチャンスに、村上さんは迷いませんでした。

村上
青森のことはほとんど知らなかったんですけど、十和田市への移住に対する不安はまったく感じませんでした。それよりもむしろ「自分の好きなことを仕事にできる」という喜びと、「やってやるぞ!」という気持ちが大きかったですね。その気持ちは今でも変わりません。

地元の人たちにもっと知って欲しい、世界に誇れる十和田の価値

森が雪に覆われる冬は動物を見つけやすいと言います。足跡をたどったり冬なりの楽しみ方も。

森が雪に覆われる冬は動物を見つけやすいと言います。足跡をたどったり冬なりの楽しみ方も。

夢のために飛び込んだ見知らぬ土地。でも自分が育った地域と同規模程度の街ということもあってか、十和田市はとても馴染みやすかったと言います。

移住してから知った荘厳で神秘的な十和田湖の大自然。
村上さんは現在、十和田湖と奥入瀬渓流、南八甲田山麓のネイチャーガイドをしていますが、この3つは特に大事にしていきたい魅力ある場所だそうです。

村上
ガイドになって最初の頃はアクティブに遊ぶのがメインでしたが、今ではじっくりと森を見るスタイルに変わりました。仕事とはいえ自分が楽しんでるし、散策していると新しい発見に出会うこともあります。お客さんと森の不思議を共有できた時が一番うれしいですね。



一人で移住してから8年目、現在は結婚して妻と長男との3人暮らし。

村上
十和田の素晴らしい大自然の価値に気付いていない地元の人たちも多くいます。もっと誇りに感じてもらえるように、地元の大人や子どもたちに向けて紹介して行きたいですね。そして地元を好きになって、日本はもとより世界中に十和田の魅力を発信して欲しいと思います。行く行くは息子が僕の役割を引き継いでくれたら何よりです(笑)



<村上さんプロフィール>
1980年北海道生まれ。2008年十和田市に移住。
現在は十和田市の「ネイチャーエクスペリエンス グリーンハウス」でネイチャーガイドとカヌーガイドを務める傍ら、DTPデザイナーとして自社発行の冊子などの制作を手がける。
ネイチャーエクスペリエンス グリーンハウス
http://www.nexgh.com/

児玉 菜穂子(micro*cubic)

児玉 菜穂子(micro*cubic)

フリーランス編集者・ライター・デザイナー

秋田市在住。