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日本初!極上の果物×金賞の日本酒!Fruitreatが秋田のとっておきを届けます

東京で生まれ育った矢野智美さんは、2016年春から秋田県横手市に移住し、「株式会社秋田ことづくり」の代表取締役社長として、秋田県の魅力を発信しています。

そんな彼女がはじめたサービスは、日本初の試み「Fruitreat(フルートリート)」。
秋田県産の旬の果物とその果物に合う「浅舞酒造」の日本酒をセットにして、毎月定期通販をするサービスです。

このサービスを考えたのは、

「いつも秋田のおばあちゃんが送ってくれたおいしい秋田産の果物も、県外ではほとんど知られていない」

と感じたことがきっかけだったという矢野さん。

矢野さんの移住、起業までの経緯や思いについて、語ってもらいました。

「株式会社ことづくり」創業パーティーにて、挨拶をする矢野智美さん

「株式会社ことづくり」創業パーティーにて、挨拶をする矢野智美さん

あんなにおいしい果物が県外で知られていないのはもったいない!

矢野
秋田にお金が落ちるビジネスをやりたいと考え、そのために秋田の“もの”を売りたいと思いました。そんなときに、まず思い出したのが秋田のおばあちゃんが送ってくれた果物。あんなにおいしいのに、県外では知られていないのはもったいない。秋田の果物を取り扱おうと決めてからは、「Fruitreat」のアイデアはすぐに浮かんできました。


2016年7月から「Fruitreat」のサービスはスタートしました。
ターゲットは都会で働くビジネスパーソン。忙しい毎日の中で、ゆっくりと果物と日本酒を楽しみながら、自分自身と向き合う時間を作るきっかけに、という思いから、「少量で、高品質なもの」を届けています。
より楽しんでもらえるよう、果物と日本酒の「マリアージュ」(食べ方や温度など)も矢野さん自ら生産者とも相談しながら考案し、情報を同封しています。

シャインマスカットと日本酒のセット

農園で自ら果物を確認する矢野さん

これまでのラインナップは、ブルーベリー、フルーツトマト、桃、シャインマスカット。
果物は天候が影響して、食べごろの時期が2週間も前後することもあるんだとか。生産者と密なコミュニケーションをとりながら、一番おいしいときに贈ることを徹底しています。

また、この「Fruitreat」で彼女がこだわっているのが、それぞれにストーリーを添えて届けること。生産者と実際に話したことを中心に、どんなことを大切に、どんな思いで作られた果物なのか、日本酒なのかということを、自らまとめているそうです。

秋田のためにできることは……

矢野
秋田の祖母の三回忌のため、2015年10月に秋田に行きました。秋田には親も住んでいないし、友だちもいなかったので、秋田との縁がなくなっていくのかなと考えたときに、寂しいなと思ったんです。ルーツのある秋田で、秋田のためになにかやっていきたいなと考えたきっかけでした。


社会人向けの経営大学院に通っていた彼女は、これからどういうことをやっていこうかと考えていたところだったといいます。

矢野
最初は秋田に移住する、というところまでは考えていなかったんです。週末だけ、など秋田との関わり方を模索していました。


そんななかで、秋田県が県外からの移住と起業を目的に開催しているビジネスコンテスト「ドチャベン」を知り、勉強会や2泊3日の現地学習などに参加しながら、秋田へのアプローチを考え続けていたといいます。

しかし、コンテストの入賞はそのまま移住と起業につながる――。なかなか決断ができなかったという矢野さんは、締切の前日に申し込むことを決めました。

矢野
前日に経営大学院のコンテストがあったんです。そこで優勝者の方がおっしゃっていた「後ろの扉を閉めることで、はじめて扉が開くこともある」という言葉に背中を押され、私も思い切って飛び込もうと参加を決めました。


農園で自ら果物を確認する矢野さん

シャインマスカットと日本酒のセット

参加したコンテストでは、「Fruitreat」のアイデアで見事金賞を受賞。
実際にサービスをはじめるまでには、果物と日本酒という斬新な組み合わせに、「よくわからない」「ワインでやればいいのでは?」という厳しい声を受けたこともあったそう。
もともと知り合いもいない土地だった秋田で、今では仕事関係含め、どんどん人がつながり、やりたいことを理解して、協力してくれる人も増えたんだそうです。

矢野

人間関係が密で、応援してくださる方もいらっしゃって、励みになります。現在は月1回、生産者の方にも来ていただいて、日本酒と組み合わせてみるワーキングをやっています。硬い桃のえぐみが日本酒にくぐらせるとなくなった、など生産者の方側にも発見があったりして、それはうれしいですね。


8月に行った桃のワーキングの様子

8月に行った桃のワーキングの様子

秋田県全体のブランド価値を高めたい

サービスを実際に開始し、さまざまな声が集まるなかで、矢野さんはさらなるサービスの質向上に意欲を燃やしています。

矢野
想定ターゲットだった多忙なビジネスパーソンから、「届くときにお皿を用意する」「掃除して楽しみに待ってる」という声をいただき、新たな習慣として、秋田の果物と日本酒を取り入れてもらったんだとうれしく思っています。ただ一方で、「高いなあ」という声もあり、まだまだ価値を伝えきれていないんだなとも感じます。


梱包材を生産者とともに検討している様子

梱包材を生産者とともに検討している様子

サービスの満足度を向上させるためのひとつは、果物と日本酒の「マリアージュ」の質を向上させること。現在も温度や切り方など実際に試行錯誤を繰り返しているそうですが、さらに質を追求するために、バーテンダーなどその道のプロの方とのつながりを作っているところだそう。

また、想定外に秋田県内からの注文があり、なぜかを調べると、県外へのギフトとして贈られていることがわかったんだとか。今後は県外に贈るギフトとしての売り方やPR方法についても考えたいといいます。

矢野
私は、秋田県全体のブランド価値を高めていきたいんです。秋田県って、なんとなくおいしいものがあるよねとか、具体的なものがなかなかイメージされないのが現状。極上の食べ物や素晴らしい景色など、秋田の魅力を知ってもらうための役割を担っていければと考えています。


秋田県は世界でも最速レベルでの人口減少が起こっており、2015年には「行ったことのない県」で1位になるなど、本気の地域活性が求められています。

矢野さんの挑戦が秋田県外への魅力の発信のみならず、秋田県の資源の再発見につながり、秋田県でチャレンジする人々が増えていくのろしになっているような、ワクワクする予感があります。
まずは、秋田県産の極上の果物と日本酒のマリアージュを堪能してみませんか?

プロフィール
矢野智美(やのともみ)
秋田県横手市
http://www.akitakotodukuri.com/

和田めぐみ

和田めぐみ

フリーランス編集者・ライター

編集プロダクション勤務を経て、2016年よりフリーランス。