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「神話のふるさと」宮崎県高千穂町で、元バックパッカーがカフェを運営!その想いに迫る…!

みなさん、はじめまして!
「まち冒険」ライターの井手悠哉です。

いきなり何の前触れもなく自分のプロフィールをさらけ出してしまいますが、神奈川県横浜市で生まれ育った私は、ほどよい自然を感じながらも基本的にはコンクリートに囲まれ、一日一回はエスカレーターと必ずふれあう機会がある環境が当たり前だと思って生活してきた、いわゆる”してぃぼーい”。

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そんな私ですが大学で身体表現(コンテンポラリーダンス)を学んだことがきっかけで、”生きるってなんだろう”とか、”そもそもみんなどうやって生きてるんだろう””環境が違う場所で生きている人は何を感じているのだろう”というような想いが巡ってきて気がついたら就活シーズン。
将来は移動式お花屋さんでもやろうかなー、とかよくわからないことを考えていたときに、友人から「地域おこし協力隊」の存在を教えてもらいました。

どうせ行くなら遠いところにしようと思い、協力隊のサイトを開いてみると「宮崎県 日之影町」の文字。
「宮崎か~、南国で暖かいし、きっと軒先には柿の木の代わりにマンゴーがたわわに実っているんだろうな」なんて前宮崎県知事のプロモーションにまんまと誘導され応募、そして合格。
当時はETCが土日1,000円だったこともあり、期待と不安を胸に車で横浜から宮崎まで2日がかりで移動し、大雨降りしきる中、平均気温が岩手県と同じ(!)という宮崎県日之影町に赴任したのでした…。

前置きが長くてすみません。これ以上前置きが長くならないためにも日之影町での思い出は後日にとっておくとして、今回は協力隊時代に出会った日之影町の隣町、宮崎県高千穂町で活動する「藤木 哲朗」さんにスポットを当てご紹介したいと思います。

宮崎県高千穂町、「神話のふるさと」とも呼ばれるこの町は日本でも有数のパワースポットとして知られており、2010年には年間観光客数が150万人に迫るなど観光地としても人気の町です。

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高千穂のなかでも代表的な観光スポット「高千穂峡」は国の名勝、天然記念物に指定されています。

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ミシュラングリーンガイドで一つ星を獲得した「国見ヶ丘」では、秋の終わりから冬の始めにかけて、運が良ければ早朝に雲海を拝むことがきるんだとか。

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2015年12月15日には、伝統的な農林業や、神楽などの伝統文化が評価され「高千穂郷・椎葉山の山間地農林業複合システム」が世界農業遺産に認定されました!

 今回ご紹介するのは、そんな高千穂町出身の「藤木 哲朗」さん。20代にバックパッカーとして各国を放浪し、30歳の時にフォトメッセージマガジン『日向時間』等を発行する「日向時間舎」を立ち上げ、現在は主に高千穂町の天岩戸神社近くにある、「むすびカフェ 千人の蔵」の運営を行っています。その笑顔を見るだけで人の心を和ませてしまう藤木さんに、どんな想いで活動をしているのかを伺いました。

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▲バックパッカー時代の藤木哲郎さん、ニュージーランドやバヌアツ共和国を旅し、人間の根本的な幸せとは何かを知る。

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素敵な笑顔が印象的な現在の藤木さん。2006年に「日向時間舎」を設立し、フォトメッセージマガジン「日向時間」を創刊。ご本人曰く「当時は写真や文章、編集の仕事など一切したことがない小僧寿司の店員だったんですけど、ちょっとやってみようと(笑)」

「むすびカフェ 千人の蔵は、地元のじいちゃんばあちゃんが形成する団体、『五ヶ村村おこしグループ』が村おこしのために、地元の若者と一緒に補助金などに頼らず資金を集め、隣町から約150年前に建てられた石蔵を移築したものです。2009年移築当時は別のカフェが入り、その後お蕎麦屋さんが入ったりしていたのですが、経営難や人手不足から担い手がいなくなってしまって、去年僕にお話がまわってきました。僕には調理経験がなかったので、延岡市というところから20代の女性に移住していただき店長になってもらいました。39歳の僕が最年長者になるくらい他のスタッフが若く、移住者やUターンの女性たちが多くてビックリしています」(藤木さん)

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千人もの願いが集まった石蔵、「むすびカフェ 千人の蔵」。ここや周辺施設で利用できる券を1口1万円で販売し、集まった資金を元手に石蔵を移築したそうです。

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むすびカフェ「千人の蔵」で提供されている、見た目がとってもキュートな「おむすびセット」と「蔵ごはん」。もちろん素材はどれも地産のもの。食事をするってこんな幸福な気持ちになれるんだと改めて実感するほど、心がふくよかになれます。

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むすびカフェ「千人の蔵」で、おむすび縁日というイベントを行った際の一幕。適度に肩の力が抜けたこの雰囲気、うらやましい!

「独りよがりではなく、地域のひとたちと一緒になって行動していくことが重要だと思っているんです」と話す藤木さんは、実はカフェの運営だけではなく、地域のお米を取りまとめて販売する事業も行っているんです。

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「村おこしグループのじいちゃんたちと、町おこしの勉強会をしていたんです。その時に東北でお米の再生産価格、つまり農家さんがお米を作っても赤字にならない価格で買い取りを行うプロジェクトを実践している先生に出会いました。再生産価格でお米を買い取ることをしていれば食の安定や農家さんの後継者育成にも繋がっていくので、高千穂の現状をみつめるとこれは自分でもやっていかなければいけないという漠然とした気持ちになり、5年位前からお米の販売を始めるようになりました。お米にしても『千人の蔵』にしても”預かりもの”だと思っています。それをどう繋げたり、続けていくかということを考えながら実践し、また、この町で実績ができれば他の地域でも、他の誰かが行えるんじゃないかなと思っています」(藤木さん)

やさしい口調でとても芯のあるお話をしてくださる藤木さん、今後「千人の蔵」をどのようにしていきたいのかを最後に伺いました。

「一番は『ありつづけること』だと思っています。色んな人の縁が結ばれたり、地域のものが結ばれたりするきっかけになるためにも。ただ、ありつづけるためにはもっと経営的に頑張っていかなければいけないし、カフェに限らず体験事業なども充実させていきたいと思っています。地域にあるものでの、生業づくりですね。
 また、村おこしのじいちゃんたちも、高千穂の村の技術や哲学を発信していく『人間大学』を創って行きたいと言っています。僕もその考えには多いに賛成です。僕自身も、村の叡智を学び、これからの時代に役立てられるような仕組みをみんなで、つくっていきたいですね」(藤木さん)

井手悠哉

井手悠哉

株式会社ANANTA 代表取締役

1987年神奈川県横浜市生出身。立教大学映像身体学科卒業。 高校時代に一部から「ガイコツ」と呼ばれていたが、大学在学中にコンテンポラリーダンスを専攻し90分間ジャンプし続けるといった破天荒な授業を受けたことで、心身ともにある程度鍛え上げられる。大学卒業後は宮崎県日之影町に「地域おこし協力隊」として赴任、その後フリーライター、デザイナーを経て、会社を設立。現在、株式会社ANANTA代表取締役に就任。
井手悠哉

井手悠哉

株式会社ANANTA 代表取締役

1987年神奈川県横浜市生出身。立教大学映像身体学科卒業。 高校時代に一部から「ガイコツ」と呼ばれていたが、大学在学中にコンテンポラリーダンスを専攻し90分間ジャンプし続けるといった破天荒な授業を受けたことで、心身ともにある程度鍛え上げられる。大学卒業後は宮崎県日之影町に「地域おこし協力隊」として赴任、その後フリーライター、デザイナーを経て、会社を設立。現在、株式会社ANANTA代表取締役に就任。