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限界集落を救え!ここから行動するための綾部研修

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<古屋>

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1日目に訪ねた古屋は、全員で6人の方が暮らす山間の集落である。
私たちは自治会長の渡邊さんにお話を伺い、渡邊さんのお母様を含む3人の方にご挨拶し、トチの実を拾って、トチ餅のぜんざいを頂いた。

お話の中で驚いたことの一つは、年間約700人ものボランティアが古屋を訪れるということだった。
渡邊さんは「みんなおばちゃんたちに会いに来るんよ」とおっしゃっていた。
80歳を超えてなお元気に働いていらっしゃる姿や、別れる時は私たちが見えなくなるまで見送ってくださる姿を見て、納得した。

2日目に偶然納品をする渡邊さんにお会いした時も、同じ笑顔があった。

ただ一方で、お話の中で「今の活動で辛いことは何ですか」という質問に対し、「辛いことは言いだしたらきりがない」ともおっしゃっていた。

古屋以外でも、「過疎・高齢化が進むと本当に住む人の気持ちが萎えてしまう」という話は度々耳にした。
そんな状況から立ち上がるのは容易ではないと思う。

しかし10年前、何とか廃村だけは避けたいとの声が上がっていた頃、限界集落の存続・再生を図る「水源の里」の取り組みにの一つに古屋が選ばれた。

そうして、先祖代々大事に守られてきたトチの木と、「おばちゃんたち」の持つ生活の技術を活かした取り組みが始まり、トチの実せんべいの販売や、トチ拾いツアーが行われるようになった。

研修がなければ古屋という場所を知らなかったであろうことを思うと、研修に参加してよかったと思う。
訪れる人が増えたことで、古屋に帰ってこようかと考える人も出てきたらしい。

古屋から、いろんな方へ人の輪が広がっていく。

<今思いつくこと>

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1日目の晩に研修メンバーで集まり、その日の活動を通してどんな地域活性の案が考えられるか、話し合いをした。
最終的には一人ずつの発表があり、自分では気がつかなかった着眼点を知れたので、とても参考になった。

具体的には空き家カフェや雪まつりやホームステ、研修に大学の単位をつけるなどだった。
いずれも、その日の体験や身近な視点から発想されている。

また、外から人を呼ぶという考え以外に「まず綾部に住む若い人に地元に対する自信をつけてもらう」、「良い面だけでなく悪い面も知るべきだから、ステイは長期がいい」という声もあった。

私は「出張の市場を催し、そこで綾部の特産品販売やトチ餅ぜんざいの試食を行う」という案を発表した。
研修で来るまでは綾部を知らない人が多かったこと、交通上、綾部がふらっと立ち寄れる場所とは言えないことから、綾部から都市に出てはどうかと考えたのだ。
ものだけでなくその場で飲食もできれば、人を惹きつけやすい。

しかし、市場のための場所や人手、移動にかかるお金を考慮すると、空き家カフェなどの“地元で発信型”に比べて手間がかかるという欠点があった。

<定住>

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2日目で特に印象に残ったのが、「集落の人は外からの人を歓迎しているのか」「綾部市は定住者を増やすためにどんなアピールをしているのか」という質問への答えだった。
お話を伺ったのは、空き家を民泊として改装なさった大阪出身の工忠さんと綾部定住推進課で綾部出身の大槻さんである。

前者の質問については「集落によるが、綾部の人は大体歓迎している」、後者については「こちらからアピールはしていない」ということだった。

なぜアピールしていないかというと、話が定住という段階になると、その集落の自治会への参加や、その他住人同士の役割分担、約束事もきちんと守れなければ結局引っ越すことになるから、とのことだった。

大阪から綾部に越してこられた工忠さんも、そのあたりのことはよく知った上できたし、それが苦にならない人ならいいのでは、とおっしゃった。

農家民泊を綾部で経営している方のお話も伺い、都会の人が田舎に遊びに来るというのと、田舎で暮らすというのはまた違うことであるのを知った。

<最後に>

綾部での研修で、引率の石田先生や企画してくださった谷津さんには、「ここから行動して行ってください」ということを言われた。

そして、綾部のそうした取り組みへの積極性を知り、改めて、まずは身近な人に綾部での体験を伝えることから始めようと考えた。

添田 彩

添田 彩

京都府立大学 文学部 欧米言語文化学科