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自分の仕事を誇れるようになりたい

宮津で2つ目に訪れたのは、多様な野菜の栽培を行う和久田ファームさん。トマト・ほうれん草・スイカ・パプリカ・カリフラワーなど扱う野菜は幅広く、毎日違う仕事をするのが楽しいそうです。

今回はたくさんあるビニールハウスをひとつづつお話を聞きながら見学させていただきました。ファームに向かう途中で寄った農産物直売所で見かけたカリフラワーも発見!トゲトゲした見た目に私たちの心は惹きつけられました。

やっぱり農家には体力が必要!

今年は暖冬ですが、雪がたくさん降った時にはビニールハウスに積もった雪かきをするところから一日の作業は始まります。

足腰が強くないといけないイメージがありましたが、やはり農家には体力が必要なんですね。障害は雪だけではありません。イノシシやシカ、そしてクマも邪魔をするそうのですが、とくにイノシシは3日間で畑を平らにしてしまうそうです。

対策として柵やメッシュを設けていますがそれでも掘って入ってくるなど頭のいいイノシシは、電気柵もお尻からならそんなに痛くないと気づき突破してくるとか。

宮津で初めて研修生を受け入れ

そんな和久田ファームの和久田さんは、宮津市ではじめて新規農業者の教育受け入れに名乗りをあげた方です。

受け入れする農業者は、新しく農業をはじめたい!という人と約半年間ずっと一緒に過ごし、ノウハウを指導するほか畑や家探しもお手伝いも行うそうです。

和久田さんも朝8時半から夕方17時まで仕事を共にし、家に送り届けるという生活を半年続け、何人かを育て上げたそうです。育てた人が独り立ちした後は「各々のやり方で同等に接する。協力しあえる仲になる。」とおっしゃっていました。強いパワーを持つ若者が飛び込みやすい体制が築けたらいいな、と感じました。

農業者に信頼がないと直売所を置かせてもらえなかったり、野菜を取り扱ってくれなかったりで、その信頼はブランドづくりや年数が関係するために新規農業者には分厚い壁です。

おいしいからもう一回買う!という消費者を増やしていかねばならないのです。長年農業をやっていても取扱店が新しく変わればまた一からのお付き合いとして信頼獲得のために年数を必要とします。地道な作業の積み重ねが大切なんだなと実感させられました。

ビニールハウスにカニ!?

何個目かのビニールハウスで「なんか臭い…?」と思ったらその正体はなんとカニでした。カニの殻をバーナーで乾燥させたものを肥料としていたのです。無農薬を心掛けている和久田さんは微生物を死滅させるために殻を使用し、循環型農業を目指しています。今年は根こぶ病という病気の対策のために、おとり野菜としてダイコンを使用し、薬剤に頼らない解決法にチャレンジするそうです。

最後には春菊の収穫をさせていただきました。

都会で見かけるのと宮津の方が好んで食べるものでは種類が違うらしく、宮津の方が葉が大きいのが特徴でした。収穫は普段なかなかできない体験で、わたしたちはまさしく春菊ガールとなって夢中になっていました。持ち帰らせていただいた春菊は美味しくみんなでお鍋に入れて食べました。こたつで鍋を囲むのは冬の醍醐味ですね。

11個あるビニールハウスで毎年違うことにチャレンジし続ける和久田さんはとても楽しそうで、農業が大好きなんだな、とこちらにも愛が伝わってきました。

教える自信がないのか、いままでにはなかったプロジェクトだからなのか、なかなか受け入れを行う農業者が増えないことを教えてくれましたが、現在農業で生計を立てている方はプロであって、自信をもって指導していただきたいです。

さいごに

「働く」ことはお金を稼ぎ、安定した生活を送るためにあるものという考えが私の心にありました。

しかし和久田さんは「働く」ということを生きる術というよりも、「楽しみ」として考えていました。もちろん宮津の農業問題を解決するため、父親が農業をしていたから、という理由もありますが、息子に畑を譲ったあとも二つくらいはビニールハウスを続けて楽しみたい!とおっしゃっていて、その農業を愛する姿勢に私はとても憧れました。

私の就く職業は農業ではないかもしれないし、たとえ違ったとしても、人にいつまでもキラキラとした目で自分の仕事を話せるようになりたいと思いました。

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柴田桃夏

柴田桃夏

学生ライター

同志社大学 商学部2年