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宮津の食材をよりおいしく!

今回私はカネマス(有限会社谷口商店)に訪問させて頂き、5代目店主の谷口嘉一さんにお話を伺いました。

カネマスは元々京都府北部の廻船業者として、全国各地の特産品を扱う卸し業を営んでいらっしゃいましたが嘉一さんの代から『一刻干し』を始め、現在では卸しに留まらずこの一刻干しの販売から宮津地域の特産品を七輪で焼いて食べる七輪焼きなどを手掛けています。

-宮津の食材をよりおいしく、そしてより多くの人へ-
その想いを実現するべく日々奮闘していらっしゃる店主のお話と、それを聞きまだ学生である私が『地元で働く』ことについて考えたことをお伝えしていきたいと思います。

新しいことを始める意味

ではご紹介した『一刻干し』とはどのようなものでしょうか?

“干し”というワードから干物の類いかな、と連想してもらえたならばありがたいです(笑)。干物といえば多くの人が保存用のため何日も乾燥させたものを想像すると思います。

しかし!このカネマスさんの一刻干しはそのどちらも逆手に取るものなのです。つまり、保存のためでもなく何日も乾燥させない干物だ!ということです。

すいません分かりづらいですね….
自分も最初は分かりませんでした。

谷口さんのお話によるとこの一刻干しは丹後の海塩水を使ったうす塩味の昆布出汁に漬け込み、保存のためでなくより旨みを出すために干すのであり、その干し時間の短さ(1~2時間=”一刻”)から『一刻干し』と名付けられたそうです。

私自身も実際にカネマスさんのお店で七輪で焼いて頂きましたが(生では食べられないそうです)魚本来の旨みや食感が充分に楽しめました。

このように『一刻干し』は宮津の海の幸を贅沢に頂ける逸品なのです!

この一刻干しを始められた嘉一さんはもともと東京や埼玉の方でお仕事していらっしゃったそうですが『宮津を変えたい!』という思いで地元に帰ってきたそうです。

そしてお父さんからお店を継ぎ、新たに一刻干しを始めました。しかし地方で新たなことを始めるには周りの人との関係が重要です。

従来のやりかたを守ってきた父との軋轢や地元の住民の方々ともある程度歩調を合わせなければいけない。都会のように自分のやりたいことを好き勝手出来ない苦労もあるとおっしゃっていました。また一経営者としてもこだわりだけでなく利益の面も充分に考慮しなければならないそうです。

このように現状苦労も多いようですがその中で私が感じたのは嘉一さんの一刻干しに対するプライドのようなものでした。

自ら始めたのも大きな理由ではあると思いますが、インタビュー中に何度も一刻干しというワードが嘉一さんから聞く事ができました。

時機にあわせて干す魚を見極め、よい魚が揚がらなければ品質・ブランドを保つため店を開けない。そういったお話から一刻干しに懸ける熱い想いを感じとることが出来ました。

地元で獲れた食材のおいしさを知っているからこそ、商品にも自信が持て胸を張って全国でも通用するという確信を得ているのだと思います。狭い地域で新しいことを始めるのには自分が知り得なかった苦労がありましたが、同時にそこで模索しながらもプライド、そして地元のために奮闘する姿を目の当たりにしました。

『働く』とは

この度宮津市へのインターンを経て『働く』ということについて改めて考えさせられました。大学生にもなり就職ということをより具体的に考えるようになったいま、周りや同世代を見ていて思うことはやはり働くことに対してマイナスなイメージの方が大きいということです。

就活に失敗すると人生苦労すると言われ、働き始めても忙しく大変な事ばかりというもはや楽しいのは大学生まで、と言われてるような、勝手ではありますが正直そのような印象です。

一方、宮津で働く人を取材していく中で非常に生き生きとしていたのが印象的でした。その中で自分が思った共通点があります。それは人生のどこかで自分はこれをやっていく、という強い決断があったことです。そのためか皆さんにはこの土地(=宮津)で精一杯自分が出来ることをやるという気概と失敗を失敗と思わない強さがうかがえました。

自分達の世代はどこかで周りがやっているから、という理由で就活をし、そしてその失敗に非常にナーバスになっているなと感じます。

『働く』ことそのものが人生の貯蓄

そんな言葉が似合う宮津の方々を非常に羨ましく感じるとともに負けてられないなとも思えた、非常に有意義なインターンでした。最後になりますが今回関わって頂いた全ての方々、そしてこの記事を最後まで読んで頂いた皆様、ありがとうございました。

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浅沼丈夫

浅沼丈夫

学生ライター

立教大学 観光学部