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絵本やおもちゃがいっぱい!子どもが出入りする不動産屋さんに潜入!

「不動産屋」といえば、物件が必要になった人が、必要なときだけに行くイメージ。ところが、東京都文京区千石の「文京子育て不動産」は、物件を探しているわけでもなさそうな子どもやママが盛んに出入りをしています。いったい何をしに不動産屋さんに行くのでしょうか?
子どもが出入りする「文京子育て不動産」の実態とはいかに!?

まるでまちの集会所!?
キッズスペースの中にある不動産屋さん。

日本のビジネスの中心である大手町駅までわずか10分の千石駅から、徒歩1分。マンションが立ち並ぶ大通り沿いにある「文京子育て不動産」の店舗は、不動産屋のイメージとは大きく違います。店頭は不動産屋ならお決まりの物件紹介がなく、まちのイベントや子育てのヒントとなる地域の情報が掲示され、「文京子育て不動産」の看板がなければ、まちの集会所の入り口のよう。

店の中に入っても、小さなテーブルと椅子が4つあるだけで、店舗の奥は靴を脱いで上がる広いスペースがあり、絵本やおもちゃがたくさん置かれています。

この風変わりな不動産屋「文京子育て不動産」の代表を務めるのは、4歳と1歳の女の子ふたりの子育て真っ最中の高浜直樹さん。“子育て”をキーワードとして、ファミリー向け賃貸物件をメインに仲介しています。

「文京子育て不動産」代表の高浜さん。子ども番組の「お兄さん」のよう(?)なビジュアルも、不動産屋さんのイメージとは違います(笑)

「文京子育て不動産」代表の高浜さん。子ども番組の「お兄さん」のよう(?)なビジュアルも、不動産屋さんのイメージとは違います(笑)

高浜
不動産屋は、スーパーやドラッグストアのようにちょくちょく足を運ぶお店ではありませんし、なんとなく閉鎖的で怖いイメージがありますよね。そうではなく、子どもが遊びに来てくれる不動産屋を目指しています。そんな話をあちこちにしていたら、絵本やおもちゃを寄付していただきました。家族が子連れで住まいを探しに来たときに、子どもが遊ぶ場所があるので、じっくり住まいの話ができるんですよ。

高浜さんは、この千石の地で創業者の祖父と後を継いだ父が業務用卸売業を営んでいたものの、不動産業とは縁がなく、まったく異業種からの新規開業でした。

高浜
学生のころはバリバリ働くことを目指して、今で言う“意識高い系”でしたね(笑) 新卒でネット通販の会社に入社したのですが、1年で体を壊してしまい、バリバリ働くのは限界があるな、と。長年の夢だったツリーハウスづくりにチャレンジしたり、実家の業務用卸のネット通販サイトを運営したり、のんびりしていたのですが、子どもが産まれて『汗を流して働く背中を見せたい』と父としての自覚に目覚め、それと同時に『ここで子育てをしたいと思えるまちを、子どもたちに引き継いでやりたい』という思いも高まったんです。

地域づくりに関わっていきたいと願ったものの、ボランティアでは長続きしません。地域に関わりながら、収益を上げていくにはどうしたら良いのだろう?と考えたとき、頭に浮かんだのが不動産業。

高浜
ツリーハウスづくりをしたときに、土地を貸してくれる地主さんに影響を受けて、宅建の資格を取得していました。家業の事業拠点だった今の場所にスペースを間借りして、最初はこじんまりした規模で開業しました。最初から「子どもが来てくれる不動産屋」のイメージはあって、キッズハウスをまず置いて、その後に場所を広げ、今では“キッズスペースの中にある不動産屋”になっています(笑)。今では来店されるお客さまの8割が子連れで来てくれるんですよ。
さまざまなジャンルの絵本がいっぱい。とても不動産屋さんとは思えません!

さまざまなジャンルの絵本がいっぱい。とても不動産屋さんとは思えません!

中に入って遊べるキッズハウスを始めとして、飽きずに遊べるおもちゃがいっぱい!

中に入って遊べるキッズハウスを始めとして、飽きずに遊べるおもちゃがいっぱい!

「文京子育て不動産」は広告を一切していないので、検索エンジンで見つけるか、クチコミでお客さまが来店します。高浜さんはまずはじっくりと話を聞き、家族の将来像を一緒に描きながら物件を紹介しています。

高浜
子どもの年齢やライフスタイルが変化するにつれ、住まいも変わっていくのが自然で、チェックするポイントも変わっていきます。例えば、小さいお子さんがいるご家庭なら、キッチンから死角が少なくて見渡せることが大事なポイントですし、元気いっぱいのお子さんならば、階下に振動や騒音が伝わりにくいことが大事なポイントになります。勤め人ではないのでノルマはありませんが、決して後悔させないようにしたいと思っていますので、そこはプレッシャーですし、緊張しますね。
物件紹介は予約制。高浜さんは十分な時間をかけ、じっくりと家族の未来像を聞きます。

物件紹介は予約制。高浜さんは十分な時間をかけ、じっくりと家族の未来像を聞きます。

保育園に入れないと、子育てできない!?
ゆるやかなつながりがあれば、子育てはもっと楽しくなる。

不動産業を軸としながら、「子どもが親になれる地域づくり」に関わりたいとの高浜さんの想いは、多方面に広がっています。

毎週月曜の午後、キッズスペースをコミュニティスペースとして地域に開放し、絵本の読み聞かせや工作などのイベントを開催。
毎週火曜には、子連れOKのコワーキングスペース「こじゃりワーク」の試みをスタート。
地域の活動センターで、みんなで集まってごはんを作って食べる「おたがいさま食堂せんごく」も、月に2〜3回開催しています。
これらの活動は、「つながりがある地域は、子育てしやすい」との想いから始まっています。

コミュニティスペースやコワーキングスペースとして、店舗を開放。子どもが安心して遊べる場所です。

コミュニティスペースやコワーキングスペースとして、店舗を開放。子どもが安心して遊べる場所です。

高浜
ゆるやかなつながりがあれば、子育てはもっと楽しくなります。東京は、サービスを受けられないと、とたんに子育てが難しくなる。文京区でも保育園に入るのはかなり難しくなっているのですが、保育園というサービスを受けられないと、とたんに子育てできなくなって郊外に引っ越したり、祖父母の手を借りるために実家近くに引っ越したりしなければならなくなります。
ゆるやかなつながりがあり、最低限の安全が保証されていれば、子どもは自然と育つもの。コワーキングスペースやおたがいさま食堂も、託児サービスを入れればもっと安心して参加できるとの声もありますが、しっかり整えるとお金がかかります。我が子だけでなく、みんなで子どもへの注意を共有すれば、もっとできることが広がるし、子育てもしやすくなるはずです。

そう語る高浜さんの理想は、「老人ホームの中に育児スペースがあること」。

高浜
ふだんはお年寄りのゆるやかで温かい目がありつつ、要所要所で保育士さんがプロとして安全やより良い育ちを支援することができれば、子どもたちがよりのびのびと遊んで育つことができるのではないかと思っています。

商店街にまもなくオープン。
ビルを一棟まるごとプロデュース!

そんな高浜さんの想いが、この春に具現化する予定です。千石の本町通り商店街に、1階は整骨院、2階はコミュニティスペースとして、ビルを一棟まるごとプロデュースするプロジェクトが進んでいます。1階の整骨院は、治療だけでなく、怪我をしない体づくりをテーマに、さまざまなプログラムを組む予定で、幅広い年代が集まることが期待できます。

2階のコミュニティスペースは、地域のママたちが主体となって子連れOKのコワーキングスペース「こじゃりワーク」の拡大版として開放したり、ママがキレイを気軽に楽しめる場所としてネイルサロンを不定期でオープンする案も出ています。

プロジェクトのイメージスケッチ。どんな人たちが集う場所になるのか、とても楽しみです!

プロジェクトのイメージスケッチ。どんな人たちが集う場所になるのか、とても楽しみです!

高浜
コミュニティスペースとしては、子どもをゆるやかな目で見守ってもらえて、仕事やネイルなど他のことができる子育てスペースにしたいと考えています。整骨院も痛いところを治すだけじゃなくて(笑)、元気な体をつくれるところにしたいです。コミュニティスペースもサロンも整骨院も、プラスの未来を描ける場となり、『こんな場所がある千石で子育てしたい』と思ってもらえるようなプロジェクトにしたいですね。

子どもとその家族はもちろん、さまざまな世代が集う拠点の開業は5月を予定しています。子育てしやすい地域を目指し具現化していく高浜さんと、想いを形にするこのプロジェクトを応援しましょう!