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ものづくりからちいきづくり。自分らしく生きるために、地域と生きる!

ものづくりから考える、ちいきづくり

ものづくりが好きだった。
小さなころ、自分の手を動かして一つのものを創り出したときに感じた大きな喜び。

幼少期を宮城県仙台市にあった海側の田舎町で過ごしていたころは、砂浜を駆け回ったり、松林で木によじ登ったりと、自然の中で遊ぶ日々。

“発想力”さえあれば、浜に転がる空きビンだって、林で枯れ落ちた木の枝だって、なんだって遊び道具だった。
今の都会での生活は、ものに満たされている。
いつからか僕の中の“発想力”も失われていった。
大学生になり、自分の生き方を考え始めたころ、自分のルーツはものづくりにあったのではないかと思う。
さらに言えば、幼いころ過ごしていたあの環境こそが、ものづくりの原点だと気づいた。

ものづくりとちいきづくり。

これが自分のテーマになっていった。
しかし、ある日耳にした話の中で、ものをつくる会社に就職したが地域との関りは全くなくなってしまった、というエピソード。
自分の将来に不安がよぎる。
ものづくりをしながら地域と関り続けることはできないのか。
できるのであれば、実際にそれを体現している人に会ってみたい。

そんなところから、僕のまち冒険は始まる。

地域にあるものを“活かす”

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まち冒険1日目、出会ったのは行方市に住む、若き女性竹細工職人の勢司恵美さん。
彼女は、もともと行方が地元ではあるが、一度はここを離れている。

かつて、都心の学校へ進学し就職活動にさしかかった頃、この“就職活動”に対して疑問を抱く。
自分はなぜ就職活動をしなければならないのだろう。
勢司さんはこの疑問を抱いたまま、東南アジアへとバックパッカーとして旅に出た。

その旅にも満足して帰国、さすがに働かなくてはというプレッシャーから、とりあえず都内でOLとして働いた。

しかし。そうして働いているうちに、いつしか自分の存在意義を見失っていった。

「自分が今やっている仕事は他に変わりがいくらでもいる。自分にしかできない仕事をしたい。」

当時の気持ちを勢司さんはそう語った。

そうして勢司さんはOLとして働くことをやめた。
その後、自分らしい生き方を模索し続けた先にあったのが、この竹細工職人だった。

勢司さんが仕事に求めていたものの一つに“人の温かみが感じられる環境”があった。
このころから地元に戻って働くことを考え始めた。

なかでも、元々ものづくりと自然が好きだったこともあり、自分の興味を活かした働き方を探していた。

そのころ、地元では竹害という環境問題が地域住民を困らせていた。
竹害とは、山の手入れが行き届かなくなり、生命力の強い竹のみが他の木々を蝕んでいくこと。
そこに目をつけた勢司さんは、大分県に飛んだ。
大分県には竹細工を学べる学校があったのだ。

1年間の修行を経て一人前の職人になったころ、再び勢司さんは地元に戻っていくのだった。

悩みの種だった竹をただのゴミとしてしまうのではなく、そこに勢司さんが手を加えることで新たな価値を与えていく。
ここに地域を盛り上げていくヒントがあるように思う。
見方によっては無駄なものも、実は貴重な資源であったりする。
事実、日本の竹は海外のそれと比べても、かなり高品質である。

地域にあるものを“活かし”伝統を守りながら、同時に環境を守っていく。勢司さんはまぎれもなく、このまちのキーマンだった。

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まち冒険2日目、ここで出会うのは潮来市に住んでいる坂本考裕さん。
地元広報誌のデザインや結婚式のムービー作成、カメラマンなどの仕事をされている。

写真や映像もものづくりに近いものがあると思う。
どちらも表現方法なのだ。
坂本さんはまさにこの“表現する”ことを通してこの潮来を魅力あるまちに変えようとしている。

坂本さんが今の仕事を始めたきっかけは、友人の結婚式で自分が作った映像を流した際に、見ていたひとが感動して涙を流したことである。
それまでは建設会社に勤めていたのだが、やりがいを見いだせていなかったこともあり、その会社を辞めた。
そこから学校に通い始めて映像編集を学び、地元で今の仕事をはじめたのである。

「いま地方に求められているのはデザインである」
坂本さんは語る。
地方には決して都心には無い魅力がまだまだ眠っている。
そこに息を吹き込むのが坂本さんの言うデザインである。

時たま、魅力度ランキングの結果などで話題に上るここ茨城県ではあるが、決して魅力がないわけではない。
ある人は、それを茨城県民の控えめな性格に原因があると語った。
いい素材があってもそれをうまく表現することは難しい。
それだけにそこをクリアしてしまえば伸びしろは計り知れないのが茨城県だ。

ここにも見つけたヒントはやはり、あるものを“活かす”ということ。
魅力がないのではなく見えてないだけなのだとしたら、表現の仕方を工夫してそれを活かせばよいのではないか。

坂本さんはその可能性を僕たちに教えてくれた。

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人を通して地域と繋がる“きっかけづくり”

僕たちは今回、“人”にフォーカスをあててまち冒険をしてきた。
地域の魅力には様々な要素があると思うが、その最たるものは人にあると考えたからだ。

僕が旅行に行ったとき、思い出の中には必ず人がいる。
またその土地に行きたいなと思うとき、誰かのことを考えていることが多い。
僕のなかで地域と繋がるということは、まずそこにいる人と繋がることだ。
きっとこの繋がりを増やしていくことが、地域を盛り上げていくカギになると思う。

そのためのきっかけをつくっていくこと、人と人、人と地域、を繋げる架け橋となることがいまの僕にできることだ。

末永 新

末永 新

埼玉大学工学部3年

人と関わることが好きです。 日々の出会いに感謝!