中村さん伐木

プロローグ:100年後の子どもたちに「森」を届ける仕事

2016年4月に開催されたまち冒険in伊那は、2つのチームに分かれて活動してきました。

1つは、こうあ木工舎の木工職人であり、木こりでもある中村さんを中心とした林業チーム。

もう1つは、伊那市の高遠で農業生産法人かぎろひ屋を営んでいる宇野さんを中心とした農業チーム。

プロローグでは2編に分けて、林業チームの中村さんと農業チームの宇野さんを紹介します。

農業チームのプロローグはこちら
『化学肥料を否定しない有機農家』宇野俊輔さん




100年後の子どもたちのために森を届けたい



中村さん伐木

中村さんは生まれも育ちもここ、長野県伊那市。

かつては公務員として、郵便局の簡易保険の営業職など「普通のサラリーマン」をしていた中村さんが木工職人として歩み始めたのは、今から約18年前のことだそう。

現在はオーダーメイドを中心に家具の製作や建具づくりをしています。

「結局ね、形あるものが一番好きなんだよ」

KEESプロダクト

しかし、木工職人として働き始めた当時の中村さんが気づいたことがありました。それは日本の森を維持する人が減っているということです。

このままでは木工職人の生命線である「良質な木材」を手に入れることができなくなってしまう。そう考えた中村さんは、地元の仲間たちと一緒に「木こり」を始めました。

中村さんとチェーンソー

普段はこうあ木工舎で木工職人として働き、週末は西地区環境整備隊の隊長としてチェーンソーを担ぎ、木こりとして活動をしています。



作り続けるためには「森を守る」必要がある


今回のまち冒険で作業体験をしたフィールドは赤松を中心とした人工林でした。

伊那市は昔から平地が多く、天然の松林が広がっていたと言われています。戦後、それらの松の木を建築材や家具材として皆伐、その後に人の手で植えられたのが今の林だそうです。

人工林は木を植えた後も継続的に手入れをする必要があります。しかし今の林は、日本各地の森や林と同様に、あまり手入れをされてきませんでした。

一般的に、フシが少なく、太くて真っ直ぐな木であるほど高い値段がつきますが、手入れをしないとそういった木が育ちません。

ただ、それで低い値段がつくのは、既存の価値基準の中でしかないこと。

中村さんが関わっているKEES Projectでは、木を小さなブロックにして組み合わせることができるようにして、真っ直ぐな部分が短くても使えるように工夫しています。

kees projectアースデイ


林業チームでは4人の大学生が活動


まち冒険では4人の大学生が林業チームで活動しました。

1日目は、中村さんと一緒に林業体験。2日目はこうあ木工舎の工房を見学しました。

それぞれの学生がどんなことを体感したかは、以下のレポートから読むことができます。ぜひご覧ください。

眠る資源を掘り起こす!(5月27日公開)
「もったいない林業」で木材が生き返る!(6月1日公開)
伊那市で感じた人のつながり(6月3日公開予定)
伊那で林業をしたい!(6月8日公開予定)

齋藤和輝

齋藤和輝

ライター

2016年2月から我楽田工房に来た木こり。主にライターや編集をしているが、たまに森で木を切っている。ちなみに花粉症。自称Web業界で最も伐木(木を切り倒すこと)が上手い男。
齋藤和輝

齋藤和輝

ライター

2016年2月から我楽田工房に来た木こり。主にライターや編集をしているが、たまに森で木を切っている。ちなみに花粉症。自称Web業界で最も伐木(木を切り倒すこと)が上手い男。