農業とは恋である。伊那で気づいた21歳は次に鉄腕アトムをつくる?!

とても優しい俊輔さんといつも明るい順子さん、なんだか話しているだけで心がほっとする、そんな素敵な宇野さんご夫婦は長野県伊那市で農家をやられています。

その形態は「会員制の畑」。天災や獣害で毎年の収穫が不安定になってしまうリスクを会員のみんなで負うことで、自然と共に自然の中で生きていくという「暮らし方」についても見つめなおしてほしいという宇野さんの想いから「LURAの会」が生まれました。

今回は、そんな宇野さんの想いに触れたいと思い、実際に農業を体験しに行ってきました!



僕の夢は鉄腕アトムをつくること


中山さんと宇野さん

「僕の夢は鉄腕アトムをつくることなんです。」

俊輔さんにお会いして一番衝撃を受けた言葉でした。百姓をしていてどうやって鉄腕アトムをつくるのか、最初にそう聞いた時、脳内がプチパニックを起こしたことを覚えています。

続けて俊輔さんはこういいます。

「でも、同じロボットでも、鉄人28号は嫌いだった。」

なるほど、両者の違いは

「人との関わり方」

にあります。鉄人28号はリモコンで動く、でも鉄腕アトムは人との深い関わりがあり、自分で考えるのです。

「だから今の僕がやっている百姓は僕にとっての鉄腕アトムになっている。」
と俊輔さんは言いました。

一見、百姓と鉄腕アトムをつくることは全く別のことのようですが、「人」というキーワードでは重なる部分であり、「鉄腕アトムをつくりたいという夢は昔も今も変わらない」と誇らしげに言う俊輔さんに惹かれていきます。

こんな思いで農家をしている人がいるんだ!まさに衝撃でした。



農業は体力勝負


みんなで農作業

「ダイエットしたいならうちで夏場1ヶ月も住み込んで畑やれば間違いないわよ。」

順子さんにそう聞いて、農業ってそんな大変なの?!
とまたまた衝撃を受けました。

今回体験した畑仕事は「アーチづくり」
ツタをなす野菜が巻き付くためのアーチを立てるというものです。なーんだ、柵を地面にぴゅっぴゅっと刺せば終わりじゃないか、と正直少しなめていました。

が、しかし。実際畑に着き仕事にとりかかり始めると、想像以上に力を使い、汗ばみ始めます。たしかに、まだ4月中頃だから気温もそんなに高くないけど、夏場にこんな動いたらそりゃ痩せる!と納得しました。

四苦八苦しながらも完成したあと、隣の畑のアーチを見ても何も思わなかったのが、急に愛着が湧き始め、なんだか余計に立派に見えます。

誇らしくなった途端、気分はEXILE、いや、伊那ザイルに。

伊那でEXILE




農業とは恋である。


トラックの荷台から

アーチづくりを終えて、トラックの荷台に乗って山へ探検に行きます。伊那に行けばこんなキラキラキャンパスライフオレンジデイズ青春感あふれる画が撮れます。

よく「仕事と恋愛は一緒だ」と言われたりしますが、今回のフィールドワークで、その言葉の意味が少しわかった気がします。

要するに、どちらも「相手に喜んでもらう」ということで繋がっているのです。相手のニーズを埋めれば勝ちなのです。

そして、農業も恋愛も同じだと気づきました。作る側と食べる側が協力して食べ物を生産し、分配する。それが宇野さんの畑です。野菜は商品ではないのです。

そして自然が相手では、なかなか私たちの思い通りにはいきませんし、作る側、食べる側の予想だにしない困難が待ち受けることもあります。それでも両者が共同して生きていくという姿勢は、まさに恋愛と同じではないでしょうか。
そしてここで俊輔さんが名言を残します。

「女に一生懸命になれないやつは、仕事にも一生懸命になれない」

全て総括して、「農業は恋である」と思ったと同時に、私は将来俊輔さんのような素敵な考えを持っている旦那さんと結婚しようと決心しました。



もっと「LURAの会」を広めていきたい


山と宇野さん

LURAの会とは、「作る側と食べる側が協力して食べ物を生産し、分配する」という宇野さんの考え方に同感したメンバーによる畑のコミュニティです。

一言でいうと「会員制の畑」なのですが、その仕組みは生産者である宇野さんと会員が話し合って生産計画を決め、それに基き年会費の額も決まるというものです。

私がLURAの会の一番素敵だと感じたところは、食べ物を通じて人の関わりができ、コミュニティができ、食べ物、暮らし方、社会に対しての考え方に変化があるところです。

私は、宇野さんの想いがつまったLURAの会を、選択肢のひとつとしてより多くの人に知ってほしいと思いました。

私自身、会員制の畑があるということを知らなかったし、LURAの会を知ることで宇野さんの想いに触れ、農家に対する考え方が変わりました。

現代の農業は生産者の負担が大きく、また「そういうもの」としか社会に認識されず、農業は発展性を失っているように思います。私はLURAの会を通して新しい考え方を多くの人に発信し、宇野さんがつくる鉄腕アトムの一部を私もつくっていきたいと思います。

宇野さんと中山さん

中山真維

中山真維

立教大学/法学部/4年

好きな言葉は「堅実に誠実に着実に」
中山真維

中山真維

立教大学/法学部/4年

好きな言葉は「堅実に誠実に着実に」