ハウス内の宇野さん

化学肥料を否定しない有機農家

ハウス内の宇野さん

2016年4月に開催されたまち冒険in伊那は2つのチームに分かれて活動してきました。

1つは、こうあ木工舎の木工職人であり、木こりでもある中村さんを中心とした林業チーム。

もう1つは、伊那市の高遠で農業生産法人かぎろひ屋を営んでいる宇野さんを中心とした農業チーム。

プロローグでは2編に分けて、林業チームの中村さん農業チームの宇野さんを紹介します。

林業チームの中村さんの紹介記事はこちら



肩書ではなく「生き方」としての「農家」


宇野さんインターン生と作業

「農業」と一口で言っても、その姿形は多岐にわたります。

最新の技術を活用した植物工場も広い意味での農業ですし、同じ畑で栽培する農業であっても、単一品目を大規模に集約してする農業と、小規模も多種多様な作物を栽培する農業では全然違います。

まち冒険で一緒に活動した宇野さんの農業は、無農薬・無化学肥料で米や40〜50種類の野菜を育てている、というものです。
40〜50種類の野菜を育てている、というのは僕が会ったことのある農家の方々の中では種類の多い方の農家になります。

今回のまち冒険in伊那では、東京から来た3人の大学生が宇野さんと一緒に活動しました。



化学肥料を否定しない有機農家


わらの山と宇野さん

伊那の農家の宇野さんは、無農薬無化学肥料で野菜を育てています。これはいわゆる「オーガニック」や「有機野菜・栽培」というジャンルに属すると言うことができます。

そして「オーガニック」や「有機野菜・栽培」をしている人の多くは「化学肥料」を否定的に捉えています。

曰く、身体に良くないから
曰く、自然なものではないから

などなど…

しかし宇野さんは化学肥料も一概には否定できないと言っていました。これには少しばかり驚きました。理由を聞いてみると、

室内で説明する宇野さん

「自然の肥料、例えばニワトリの鶏糞は窒素分が多いんだけどそれ以外の成分も混ざっている。
一方、化学肥料っていうのは、例えば窒素だったら純粋な窒素だけが含まれている。

食べ物で言えば化学肥料は点滴とか栄養ドリンクみたいなもんだ
だから不足している時に使うっていうのは理解できるけど、点滴だけで育てるっていうのは健全じゃないと思うんだ。」

宇野さん自身が育てる野菜には化学肥料や農薬を使ってはいませんが、使っていないからといって存在を否定しない、という考え方は大きな違いだと感じました。



「必要とされた」から生まれたし使われるようになった。


いろりを囲んで

必要は発明の母と言われるように、化学肥料や農薬も”必要”とされたから誕生しました。

「もし一人の農家が、一日に何トンもの野菜を、それもなるべく同じ形でできるようにするとしたら、今やっている方法じゃ無理だろうね。」

宇野さん自身は農薬や化学肥料を使わずに野菜を育てています。そこにはちゃんと「なぜ化学肥料を使わないのか」という理由がありました。裏返せばそれは、なぜ無農薬・無化学肥料で栽培するのかという理由でもあります。

とてもロジカルな考え方を持っていて、でも時々いたずらが大好きな顔を見せる宇野さん。そんな素敵な人と活動した3人の大学生が考えたことをご覧ください。

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齋藤和輝

齋藤和輝

ライター

2016年2月から我楽田工房に来た木こり。主にライターや編集をしているが、たまに森で木を切っている。ちなみに花粉症。自称Web業界で最も伐木(木を切り倒すこと)が上手い男。
齋藤和輝

齋藤和輝

ライター

2016年2月から我楽田工房に来た木こり。主にライターや編集をしているが、たまに森で木を切っている。ちなみに花粉症。自称Web業界で最も伐木(木を切り倒すこと)が上手い男。